昼、農道同然の田圃に挟まれた田舎道を車で走行中、突然、視界に長元坊が現れた。
チョウゲンボウだーッと、つい減速してしまった。後続車がいなくて幸い。バンパーをへこませて罵詈雑言を浴びながら平謝りとか、みじめにも田圃に転落するとか、無しで済んだ。やれやれだ。
長元坊を見たのは十数年振りか。
丸い目、斑のある茶色のきれいな背中が、はっきり見えた。美しかった。
帰りは、田舎道に戻る右折レーンに入るのをころっと忘れて、混んでいる幹線道路に入ってしまった。
低い雲が流れる夕空で、日が落ちたばかりだった。四車線道路の前方に夕暮れの空が広がっていた。
久々に夕焼けを見た。
先週の土日は曇天だった。「日が長くなってきたかな」と職場の工場内から外を眺めても、帰る時には夜になっている。生活に夕方の景色がない。
どうやら、とても疲れている。